「何歳からでも、やれるのよ」 ~人とつながり、高齢者の笑顔を引き出す“回想法”を広めたい~
2026年7月1日
思い出トークカフェ ROKUMARU代表 吉田 恭子 さん (シーズレター2026.7.1号) 高齢者の認知症予防や改善に効果が期待されている“回想法”。専門的に学んだ「リーダー」が数名の参加者を促し、昔懐かしい写真や道具などをテーマに思い出を語り合う。参加者は「思い出す」「人に伝える」ことで脳が活性化し、表情が明るくなったり元気を取り戻したりするという。シーズでは7月、吉田さんを講師に迎え、“回想法”を体験するシーズサロン(詳細2面)を開催予定。それに先立ち、吉田さんの「働き方 私流」を伺った。 大学卒業後まもなく結婚。子どもを授かるまでに時間がかかり、さらに2人の子どもの年齢も離れていたため、長く家事と育児を中心に暮らしてきた。そんな吉田さんが「さあ、これから!」と外の世界へ飛び出したのは、50代になってからだった。しかも、いきなり会社を立ち上げてネットショップを開設。自ら企画した商品に加え、手づくり作品も集めて販売するため、人とのつながりを広げようと「女性のためのキャリアアップコーディネーター養成講座」を受講した。 そこで出会った仲間たちと任意団体を立ち上げ、学んだことを活かしてイベントや講座を企画・運営。さらに2008年にはNPO法人エンツリーを設立し、理事長に就任した。女性の社会参画をテーマにした講座の開催に加え、自治体との協働事業にも積極的に取り組んだ。複数の自治体から子育て支援施設や市民活動センターの運営を受託し、多くの仲間や関係者とともに活動の幅を広げていった。 事業の拡大に伴い、2023年にはNPO法人と一般社団法人の2つの組織へ再編。そして翌年、吉田さんは両組織の理事長職を離れ、新たな活動をスタートさせた。それが、“回想法”をベースとした高齢者支援だ。 「コロナ禍以降、何でもインターネットで済まされるようになる中、高齢者が置き去りにされていると感じたんです。『自分が社会に迷惑を掛けている』と委縮している高齢者たちの気力を底上げしたい、と思いました」 そんなとき、偶然手にした回想法講座のチラシに心を動かされた。「これを学びたい!」と直感した吉田さんは、横浜で開かれた基礎講座やリーダー養成講座へ何度も通った。そして「この活動を多摩地域に広めたい」と、古くからの友人と共に「思い出トークカフェ ROKUMARU」を立ち上げた。 ...